息子は無遅刻無欠席・無早退の皆勤賞で幼稚園の年少を終えた。
翌日、初めての春休み。
午前中にドラえもん映画『のび太の人魚大海戦』を見に行った。
映画を見終わり、昼食を食べた。
「このあとどうする?」
いつもなら「まだ遊ぶ」と答える息子が、「家に帰る」と言った。
『珍しいな?』と思いながら、帰宅すると息子はすぐに寝てしまった。
次の日の朝、息子は39℃の熱を出した。
耳の下も痛いという。
幼稚園では1月頃から『おたふく風邪』が流行っていた。
流行り始めてすぐに『おたふく風邪』の予防接種を受けさせたのだが・・・。
病院に連れて行き、診断は『おたふく風邪』
薬をもらい、帰宅する。
昼食を食べている時だった。
息子は少し食べると、
「もういらない」と言って、ストーブの前に横になった。
少しして、釣り上げられた魚がピチピチ跳ね回るように、息子の体が動き始めた。
最初は『何をふざけているのだろう?』と思ってしまった。
しばらくして、只事ではないことに気が付いた。
慌てて電話を取り、かけた先は朝行った病院。
電話口での実況中継が始まった。
「先ほどお伺いしました○○です。
息子がピクピク動いています。
唇が紫です、チアノーゼが出てきました。
口から泡を吹いています。
気を失いました」
「今先生呼び戻しますので、すぐに病院に来てください」
食べかけの昼食もそのままに、気を失った息子を車に乗せ
2歳になったばかりの娘も連れて、再度病院へ行った。
道中、息子の呼吸が止まったらどうしようと思い、怖くて何度もルームミラーで確認した。
気を失った息子がブルブルと震え始めていた・・・。
病院に着き、呼び戻された先生がやってきた。
点滴薬を入れると、火が付いたように息子の泣き声が響いた。
『熱性けいれん』だった。
この時の息子の体温は41℃まで上がっていた。
この病院では対応しきれないので、総合病院に行く事になり、
先生が救急車を要請した。
救急車には看護師さんが一緒に乗ってくれた。
息子を病院に連れて行く時から、娘は必死に私のズボンをつかみ、一緒に行動してくれた。
訳も分からず乗せられた救急車でも、おとなしく兄を見ていた。
息子はそのまま総合病院に入院することになった。
「お母さんも一緒に入院してください」と言われたが
「娘も一緒に入院できるなら、可能です」と答えると、そのままいなくなる担当者。
その後「看護付きの部屋が一部屋空いたので、息子さんだけで大丈夫です」
息子一人で入院することになった。
入院すること1週間。
その間毎日娘を実家に預け、面会時間いっぱいまで病院通い。
最初は大泣きしていた息子も、大部屋に移った時には笑顔になっていた。
退院する時に息子の本当の病名が判明。
『副鼻腔炎』と『顎下腺炎』を併発し、高熱が出たのだそうだ。
それが『熱性けいれん』の原因だった。
『おたふく風邪』は予防接種で『かかったこと』になっていたそうだ。